あん の作者ドリアン助川さん

今さらだけど、休暇まで取って見たくなった『あん』を見るきっかけになったドリアン助川さん
のことを書こうと思う。

前回、あまりにも映画に感動しすぎて、見るきっかけになったことを書き忘れた。

ドリアン助川さん
奇抜な頭で叫ぶ詩をよんだり音楽やラジオで一世風靡された方だ。

10年続いたバンドもこれからという時にメンバーの覚せい剤で解散、
仕事が激減し、お酒に溺れるようになった。

小説もなかなかかけない。
すがる思いで禁酒されたらしい。

禁酒したことで甘いもの好きになり、
なんと製菓学校に通い始めるのである。
なんでも生きる道しるべが欲しかった、とか。

学校の実習でどら焼き作りを体験される。
ドラさじという、ドラ焼き専用のお玉ですくってつくるどら焼き。

職人さんの同じ形を作る技に感動し、
夢中でどら焼きを焼いた。
でもなかなか上手くできない。
30回やってまともなものが一個できるかどうか。
ドリアンさんは、ぶかっこうなどら焼きにご自分の人生を重ねた。

ぶかっこうでも自分なりのどら焼きを作ればいい

そう強く感じペンをとった。
それこそ最後の小説になってもいい気持ちで、渾身の力を込め『あん』を書き上げた。

どら春の雇われ店長千太郎に、
徳江が話すシーンがある。

店長さんは、店長さんらしいやり方で
ご自身のどら焼きを作れる方だと思いますと。

ハンセン病で差別や迫害を受け不自由さを強いられた徳江さんが、
人目を避けるように生きる千太郎の心を溶かしていく過程を丁寧に描く。

『不自由さ』の中にいる徳江が、『自由』の中に生きている千太郎の心を自由にしていく。

涙なしには見られない映画。。

思い出すだけでもうるっとしちゃう。。

もう一回見に行こうかな。