あわやスリップ

酒粕を買いそうになった。
魔が差したとしか言いようがない。

スリップした人から無意識にお酒を買ったと聞いたことがある。
無意識なんてそんなはずないと思ってた。

けど本当に無意識だった。
ああ、こういう感じでスリップするんだなと思った。

悪寒がしていた。
カボチャほうとうでも作ろうとスーパーへ寄った。
体が温まりそう…という理由で、酒粕をカゴに入れていた。

『あっちゃん何買ってるの!!』
と言われ、我に返った。

普段風邪をひこうが寒かろうが酒粕を手にすることはない。食べたいとも思わない。
けど、その時『月桂冠』の文字に心奪われていた。

よくよく思い出してみると、
料理に入れるくらいスリップじゃないよね…と言い訳している自分がいた。

買ったら間違いなく次は甘酒にして飲み、
その後酒粕をトースターで焼いて食べ、
やっぱり満足しなくて本物のお酒に手を出しただろう。

以前もお土産コーナーでお酒に心奪われることがあった。

新潟にいるときはお酒のことなんてまるで意識してなかったのに…。

無意識に目に入る酒蔵やガイドブックやお銚子などが、アル中脳を呼び起こしてしまったのかも。
後ろの百太郎も真っ青。怖い怖い(>_<)

飲み会や酒処、一番怖いのはそのあと。



…新潟はもう行かない方がいいかもしれない。

(T_T)